事務局メンバーの勝手気ままな『事務局日誌』です。
環境・時事問題から健康法まで幅広く書いています。
(原則的には毎日更新しますが時々お休みもありますので、あしからず!)

★過去ログはこちら→ 2003年8月  9月  10月  11月  12月   <HOME>
              2004年1月  2月  3月   4月   5月  6月
 

2004/7/31(土) 日本語の行く先は・・・
結構、国語力には自信があったのだが、先日の世論調査の結果を見て、ガックリ!私もいくつもの言葉を、間違った意味で使っていた。
でも誤用で使っている人たちが過半数を超え、定着していったら、それはそれで将来的には“正しい日本語”になっていくのだろうか?アナウンサーでさえ、「全然、大丈夫」としゃべっているのを聞くと、私は違和感で気持ちが悪くなるのだが、それがやがて一般的になるのかもしれない。それに、今はキャッチコピーなどで“当て字”や“言葉遊び”が横行しているので、どれが正しい日本語なのか、子供たちはわかりにくくなっているように思う。少々、心配だなぁ。。。
げきを飛ばす」誤解7割 文化庁の日本語世論調査
「げきを飛ばす」「姑息(こそく)」「ぶぜん」について、70%前後の人が本来の意味とは異なる意味で理解していることが29日、文化庁の日本語に関する世論調査で分かった。既に一部の辞書は、本来とは違う意味も掲載しており、文化庁は「違う意味や表現が定着しつつあるのかどうか注目したい」としている。
調査は1−2月に16歳以上の男女計3000人を対象に実施、74%が回答した。語句の意味の理解では、「げきを飛ばす」について、本来の「自分の主張や考えを広く人々に知らせて同意を求めること」とした人は15%にとどまり、「元気のない者に刺激を与えて活気付けること」が74%に達した。「姑息」を本来の意味の「一時しのぎ」と答えたのは13%。70%が「ひきょうな」を選んだ。「ぶぜん」も「腹を立てている様子」が69%に達し「失望してぼんやりとしている様子」という正答は16%。
本来の表現ではない「取り付く暇もない」(正:取り付く島もない)「的を得る」(正:的を射る)「押しも押されぬ」(正:押しも押されもせぬ)を誤って使っている人も半数を超え、慣用句などの誤用が広がっている。
 ※文化庁 平成15年度「国語に関する世論調査の結果について」
今日のエコニュース:環境省は29日、京都議定書の目標達成に向けた政府の地球温暖化対策推進大綱を見直し、石油や石炭など化石燃料に課税する温暖化対策税を盛り込む中間報告書案をまとめた。報告書案は温暖化対策税は有効としたが、産業界は「国際競争力が失われる」と強く反発しており、税の導入には曲折が予想される。(毎日新聞)


2004/7/30(金) ペットボトル・ビールが、本当に必要?
以前、この事務局日誌でも取り上げた「ペットボトル入りビール」が、環境保護の観点から波紋をよんでいる。
発売を表明したアサヒビールは、炭酸を抜けにくく酸化も防ぐためにペットボトルに特殊加工をするが、リサイクルは可能だとしている。しかし、環境保護団体(「ごみ・環境ビジョン21」と「グリーンピース・ジャパン」)は、環境対策に逆行していないかと、公開質問状を出して疑問を投げかけた。
ビール瓶は繰り返し使える(リユース)ので、“リサイクルの優等生”と言われている。昨今は残念ながら、アルミ缶需要が大半になってしまったが、それでもアルミ缶の回収率は83%。それに対して、ペットボトルの回収率は53%程度。しかも回収後もリサイクルルートが十分でないため、滞っている状態。さらに缶やペットボトルの回収は、自治体の負担が年々大きくなる一方で、問題化している。
時代の流れとは言え、私もできるだけ“瓶”が復活してほしいと思っているので、ペットボトル・ビールは「いらない」と言いたい。もうこれ以上、世の中にゴミとなるものを排出しないように、私たち消費者、生産者共に共通認識を持っていくべきだと思う。
ごみ・環境ビジョン21のHP  グリーンピース・ジャパンのHP (公開質問状も掲載されています)
今日のエコニュース:テレビ内部にたまったちりに、ダイオキシンに似た毒性がある臭素化ダイオキシンや、機器を燃えにくくするため製造時に加えられる有害な臭素系難燃剤が高濃度で含まれていることが、国立環境研究所などの27日までの調査で分かった。製造時の熱などにより、難燃剤から臭素化ダイオキシンが生成された可能性が高いという。欧米では、難燃剤を使った電子機器がある室内のほこりから臭素化ダイオキシンを検出したとの報告があり、家電製品や電子機器が原因で起きる室内汚染の詳しい調査が必要になりそうだ。 (共同通信)


2004/7/29(木) アメリカ 豊かさの裏で 〜その2〜
毎日新聞に掲載されていた『豊かさの裏で 〜04米大統領選の土壌 第2部〜』の第3話の内容を簡単に紹介します。
カリフォルニア州の農業労働者の95%がメキシコなど中南米生まれ。その半分は不法移民のため健康保険も失業保険もなく、時給は州最低の6.75ドル(約743円)。約5000の零細縫製工場が集まるロサンゼルスのダウンタウン。アイロンの蒸気でむっとする室内でミシンを操る女性達の75%は中南米系移民で、ドレス1枚縫い上げても10セント(約11円)。1時間縫い続けても最低賃金にも届かないこともある。その工場でグアテマラ出身のある女性が1セントの賃上げを頼んだら「あなたにそれだけ支払う価値はない」と言われ、翌日解雇された。
同州の低賃金労働の大半が州人口3分の1を占める中南米系住民に支えられており、この傾向は全米に拡大。約2億9000万人の米国の人口の中南米系移民は00年時点で3530万人、50年後は全人口の4分の1に達する推計もあり、今月2日にはバレーで働く不法移民約300人が合法的な移民受け入れを求めるデモを行ったという。
『自由な国、アメリカ』と言われているが、その根底を支えている移民労働者の生活環境は、“自由”とは遠いところにありそうだ。
今日のエコニュース: アフガニスタンで20年以上にわたり、人道支援を続けてきた「国境なき医師団」が、同国から撤退する見通し。治安上の懸念と殺害された5人のスタッフに関する調査に進展が見られないためだ。広報担当者が28日明らかにした。ただ、29日にカブールで全面的な状況説明が行われるまでは、これ以上の詳細は分からないと述べた。今回の決定は、人道支援を国連や他の援助組織に大きく依存しているアフガン当局にとっては、強い衝撃となる見込み。同国での一連の攻撃は、旧タリバン政権の残党が集中している南部と東部で発生しており、今年だけでも、既に20人以上の人道支援従事者が殺害されている。(ロイター)


2004/7/28(水) 当然と言えば、当然なのですが・・・
昨日の朝日新聞に掲載されていた記事を転載します。
◇河川に医薬品成分 排泄後に下水経由、生態系への影響も
首都圏の河川水や下水から、解熱消炎鎮痛剤や殺菌剤など、医薬品や身体ケア製品に含まれる化学物質の検出報告が相次いでいる。人間が服用したあと体内で代謝されず排泄されたり、皮膚に塗ったものが洗い流されたりしたと考えられている。生態系への影響や、抗生物質が効かない耐性菌の出現を懸念する声もあり、国立環境研究所が、優先的に調べる物質の選定と分析方法の検討に入った。
横浜国立大の益永茂樹教授(環境管理学)、清野敦子さんらのグループが、時期や採取場所を変えて神奈川県内の河川水や下水処理場放流水を調べたところ、抗てんかん薬カルバマゼピンが計25回の採水すべてで検出された。最大濃度は91.5ppt(pptは1兆分の1)で、欧米での同種調査と同じ程度だった。
抗不整脈薬プロプラノロール(25回中24回)や解熱消炎鎮痛剤イブプロフェン(同22回)も検出されたほか、合成抗菌剤や抗生物質も高頻度で複数種類見つかった。医薬品成分は、下水処理場放流水で最も高く、都市河川の多摩川や鶴見川がそれに次ぎ、農業・畜産河川の金目川が最も低かった。
高田秀重・東京農工大助教授(環境有機地球化学)らは、東京都内の4カ所の下水処理センターへ流入する水と、処理後の放流水を調べた。その結果、流入水ではイブプロフェンや解熱鎮痛剤のアスピリンが数百〜数千pptと比較的高濃度で検出された。放流水の濃度は10分の1程度に下がっており、下水処理である程度除去されていた。だが、殺菌剤のトリクロサンやかゆみ止めのクロタミトン、解熱消炎鎮痛剤のメフェナム酸は、処理後の放流水でも濃度があまり下がらず、数百pptだった。
医薬品起源の化学物質については、90年代から欧州で水環境からの微量検出が続いて関心が高まり、米国でも環境保護庁が生態系への影響の有無を調べている。
検出された濃度は、環境中で同じように検出される農薬の濃度に比べると低いが、内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)と同程度。研究者らは「いろいろな物質が存在するはずで、未知の複合的作用がある可能性もある」「抗生物質の環境流出で、薬剤耐性菌の発生などの影響が出るかも知れない」などと話す。
今日のエコニュース:英国の自然史博物館(ロンドン)は26日、絶滅の恐れがある世界中の動物や鳥類、昆虫の遺伝子や細胞組織を収集し、将来の研究や保護活動に役立てるため長期間冷凍保存する遺伝子バンク計画「フローズンアーク(凍結した箱舟)」を開始すると発表した。(共同通信)


2004/7/27(火) 身近な危険化学物質
環境省で「内分泌かく乱化学物質問題検討会」が開かれているためか、環境ホルモンや化学物質関連のニュースがこのところ相次いでいる。
23日は、ビスフェノールAが環境ホルモンとして確認された。(水槽のメダカを用いた実験で、河川の平均的なビスフェノールAの濃度の4000倍以上に相当する1リットル中1179マイクログラム(マイクロは100万分の1)で、2割のオスの精巣に卵細胞ができた。一方、人への影響を調べるためのラットを用いた実験では、人が通常飲み水などから1日に吸収する量の4倍強(体重1キロあたり50マイクログラム)を与えても、特異なメス化などの症状は見られなかった。) ビスフェノールAは、ポリカーボネート樹脂に含まれ、透明なプラスチック容器に広く使われている。環境ホルモン作用が疑われるとして98年ごろ社会問題化し、哺乳瓶や学校給食容器の使用中止が相次いだ代物。(国内使用量は年間約50万トン) あの頃、あれだけ大騒ぎしていたのに、今頃になって実験結果発表とは、いささか遅すぎたのでは・・・と思った。
また今日は、人の健康への影響が懸念されるとしてリスク評価の対象とする化学物質に、食品から検出されることもあるアクロレイン、ピリジンと塩化ビニール樹脂の原料などに用いられる1、2−ジクロロエタンの3物質が選ばれた。今後、食物や飲料水を通じた人への影響について調べるとともに、大気や河川、地下水に含まれる濃度を減らす方策についても検討するという。アクロレインとピリジンは化学物質原料として生産される一方、肉を焼いたときに微量が生成される恐れもあるし、高濃度を投与したラットの死亡率が高まるなどの報告もある。塩化ビニールの原料などに使われる1、2−ジクロロエタンは、ラットやマウスで発がん性を示す複数の実験報告が出ている。
環境省は「直ちに使用禁止するレベルではないが、生態系への影響などを考えれば、使用や製造の自粛を業界団体に求めたい」としているが、私たち消費者も正しく理解し、判断する必要がある。
もうひとつショッキングなニュースが朝日新聞に掲載されていたが、それはまた明日


2004/7/26(月) アメリカ 豊かさの裏で 〜その1〜
毎日新聞に7/19〜24まで6回にわたって、『豊かさの裏で 〜04米大統領選の土壌 第2部〜』が掲載されていた。第1話と第2話の内容を簡単に紹介します。
南部や中西部の、愛国的で経済的に恵まれない若者を狙った兵士募集。10代の若者達の多くが“5万ドルまでの学資貸し付け、2万ドルまでの一時金”の勧誘で、イラクに向かっている。不況で仕事のない町では軍に入ることは魅力があるが、若い命が失われていく事実。
また、イラクやアフガニスタンの危険地帯で、米軍に油を運んだり炊事洗濯を請け負う会社では、昨年3月以降、約3万人を現地に送り込んだ。(うち42人死亡)労働者達は、防護服やガスマスク着用の訓練を受け、米国内より2,3倍の高給に惹かれ、危険を承知で男女・年齢問わず、旅立っている。戦地の労働は経済的弱者たちによって支えられている。
お金持ち、お偉いさんたちは兵役を逃れ、直接関与もしておらず、結局危ない目に遭わされているのは、貧しい人たち。。。そしてイラクでも、一番被害を被っているのは貧しい人たち。。。むなしい。
今日のエコニュース:石原国土交通相は23日の閣議後の記者会見で、路面の温度を下げる新たな道路舗装を、来年度から東京を始めとした全国の都市部に本格導入することを明らかにした。実験によると、真夏には60度を超えることもある路面温度が25度程度下がり、体感気温も2―3度下がるという。関東地方を中心に記録的な猛暑が続き、地面がコンクリートやアスファルトで覆われている都市部の気温が高くなる「ヒートアイランド現象」の影響が指摘されている。国交省は、対策として、新たな舗装を都市部の商店街などの歩行者用道路で導入していく考えで、来年度予算の概算要求に盛り込む。新たな舗装は「保水性舗装」と呼ばれ、オムツなどに使われる吸水性ポリマーなどの保水材をアスファルトに混ぜたものだ。これにより、雨水や地下水がゆっくり蒸発するようになる。路面の水分が蒸発するのに必要な気化熱として、路面の熱が奪われるため、長時間にわたって路面の温度を冷やすことができる仕組みという。(読売新聞)


2004/7/25(日) 時間をはずした日
今日7/25は、マヤ暦をベースにした「13の月の暦」では「時間をはずした日」。「13の月の暦」とは、1ヶ月28日周期で13ヶ月で1年とした暦。1年はグレゴリー暦7/26から7/24まで。7/25だけが「時間をはずした日」として、“特定な月や曜日を持たず、日常生活、仕事、時間から解放された特別な日”となっている。世界各地で、アーティスト等による「時間をはずした日祭り」が毎年500近く開催されているらしい。
今年はその日が、たまたま日曜日だから、「何もせずに、ぽわぁ〜と過ごしたいなぁ」と思っていたが、実際はそういうわけにもいかず、いつものごとく原稿の締切に追われる一日になっている。
“日常生活、仕事、時間から解放された一日”を過ごすことは、かなり難しい。でも忙しい中、短時間でも意識的にフッと“気”を抜くのは大切なこと。
ヨーガで「屍のポーズ(死体の体位)」という完全弛緩の体位がある。ただ寝ているだけのポーズなので簡単に見えるが、実際は最も難しく、心身共に完全にリラックスした状態に入れれば、心身の健康のみならず“さとり”さえ開けると言われている。仰向けに寝て手足は力をぬいて解放する。意識は“バターが溶けていくように”下に落としていく感じ。ちょっとした“時間をはずした感覚”を味わえるので、お勧めです。
今日のエコニュース:環境省は、食器などに使われるポリカーボネート樹脂の原料「ビスフェノールA」に、魚類の生殖機能などに影響を与える環境ホルモン作用(内分泌かく乱作用)があるとする試験結果をまとめた。内分泌かく乱作用が、同省の試験で正式に確認されたのは、ノニルフェノール、オクチルフェノールに次いで3物質目。同省が27日に開く内分泌かく乱化学物質問題検討会で報告する。メダカを使った今回の試験では、河川などで検出される低濃度のビスフェノールAでも、繁殖期のメスに特徴的なたんぱく質が、オスでも増えることが判明。濃度を増すと、オスの精巣の一部に、卵巣の細胞が交じる「メス化現象」も見られた。ただし、人間への影響を評価するために、ネズミを使った試験では、3物質とも明らかな内分泌かく乱作用は認められなかった。同省は「人間の健康被害の可能性は極めて低くなった」としている。(読売新聞)


2004/7/24(土) 豪雨による廃家電のフロン回収
新潟・福井で起こった集中豪雨によって、たくさんの廃棄物が発生してしまった。その中には適正処理が義務づけられている家電製品も。NGOがフロン回収について動き出したところ、一部の行政側の認識・対応不足から、フロン回収が行われていないことが表面化。それを、毎日新聞が昨日の朝刊で掲載。それにより午後には小池環境相が対応することを表明した。その一連のニュースを、転載します。
フロン回収、手回らず 廃家電、そのまま処分−−浸水被害
 生きなかった東海豪雨の教訓 (毎日新聞・東京朝刊 2004/7/23)

新潟豪雨で浸水などの被害を受けた家庭から廃棄された家電製品が、オゾン層破壊や地球温暖化の原因となるフロン類を回収しないまま処分されていることが、NGOの調査で分かった。00年9月の東海豪雨では、廃棄された冷蔵庫などから大量のフロンが放出されたため、環境省は01年4月、都道府県などに大規模災害時のフロン回収・処理体制を整備するよう求める通知を出したが教訓は生かされなかった。NGO関係者は「同じように水害が起きている福井県では、適正に処理してほしい」と訴えている。
各地の災害地を回りボランティア活動をしているNGO「オープンジャパン」(山田和尚代表)によると、新潟県三条市などで、被災した家庭から廃棄された冷蔵庫やエアコンが、信濃川河川敷の三条競馬場跡地に積み上げられ、パワーショベルなどでつぶされていたという。山田代表は「作業の一部始終を見ていたが、フロンは全く回収されないまま、冷蔵庫は次々とつぶされ、エアコンはカッターのようなもので室外機と切り離されていた。被災者は緊急事態であり、十分な対応はできない。行政が責任を持って回収すべきだ」と指摘している。
山田代表らによると、東海豪雨では被災家庭から出された冷蔵庫やエアコンの約8割がフロンを抜かずに処理されたという。新潟豪雨では約1万2500戸が床上浸水したとみられる。山田代表らはフロンや代替フロンが最大で計7t以上放出された可能性があると試算している。
NPO「ストップフロン全国連絡会」の西薗大実代表は「法に基づかない場当たり的な対応では、今後の災害でもフロン類の大気放出が続く可能性が高い。回収、破壊義務があるメーカーにも対応を求めたい」と話し、環境省に自治体やメーカーへの指導を求める意見書を提出する予定だ。
一方、新潟県は「廃家電については、市町村が家電リサイクル法に従って適正に処理していると聞いている。フロン回収破壊法の対象となる業務用のエアコンや冷凍冷蔵庫については、これから関係業界に適正処理を要請する予定だ」と話している。また、環境省は「状況はよく把握していないが、新潟、福井両県にも適正な処理を求めていきたい」としている。【永山悦子】
◇新潟・福島豪雨:廃家電のフロン回収、徹底通知へ−−小池環境相
(毎日新聞・東京夕刊 2004/7/23)

新潟豪雨で廃棄された家電製品が、オゾン層破壊や地球温暖化の原因となるフロン類を回収しないまま処分されていた問題で、小池百合子環境相は23日、災害時に出たフロン類を含む廃家電の回収を徹底するよう都道府県などに通知する方針を明らかにした。00年の東海豪雨では、廃棄された冷蔵庫などから大量のフロンが放出され、問題になった。同省は01年、通知を出したが、この教訓が生かされていなかったため、今回改めて通知する方針を決めた。【河内敏康】


2004/7/23(金) クジラを狂わせたのは・・・
大浦町にマッコウクジラが14頭、集団座礁をしたのは2002年1月22日のことだった。原因はいろいろな説を聞いたが、塩川事務局長は講演などで“日本近海は有害化学物質による海の汚染が深刻。その影響で、クジラは何らかの異変を起こしてしまっているかも。”と話しています。それを裏付けるようなニュースが22日に発表されました。(共同通信)
『日本周辺にすむ小型鯨の体内で、コンピューターや繊維製品などに使われる臭素系の難燃剤、ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)の濃度が、過去20年間で10倍に上昇していることが、愛媛大や国立科学博物館などの共同研究チームによる22日までの分析で分かった。
PBDEは動物実験でさまざまな毒性が指摘されており、汚染の深刻化を示すデータに、調査した同大沿岸環境科学研究センターの上川智子さんは「PBDEは現在も一部使用されており、汚染がさらに激しくなることも予想される。今後、継続的な監視が必要だ」と指摘している。グループは1982年に宮崎県で、2001−02年に茨城県などで、それぞれ集団座礁したカズハゴンドウという小型鯨の体内の有害化学物質濃度を分析した。』


2004/7/22(木) 日本初の自然保護運動家・南方熊楠
昨日のNHK『その時歴史が動いた』は『世界遺産 熊野の森を守れ 〜南方熊楠・日本初の自然保護運動〜』だった。“熊野”とは和歌山県紀伊地方で、今月、世界遺産に「紀伊山地の霊場と参詣道」が登録されたばかり。“那智の滝”を包む原生林や熊野古道のシンボルである樹齢500年をこえる杉木立は、博物学者・南方熊楠(1867〜1941)によって守られたと言っても過言でないという。
明治39(1905)年に施行された「神社合祀令」は、国家神道の強化と工業化のために地方の神社を整理統合して「一町村一社」とし、いらなくなった土地を農地などに転用し、木材を利用しようとするものだった。そのため施行から3年間で全国で5万もの神社が廃止され、長年守られてきた“鎮守の森”が次々に伐採されていった。
南方は明治政府に「神社合祀令」は自然と人間社会をともに破壊するものと異議を申し立て、自然保護運動を開始。逮捕されたこともあった。若い頃海外で研究していたこともある南方は、日本に初めて「エコロギー(エコロジー)」という言葉をもたらした。(和歌山県知事・川村に宛てた明治44年11月19日付け書簡に「千百年来斧を入れざりし森は、関係はなはだ密接錯雑いたし、近ごろエコロギーと申し、 この相互の関係を研究する特殊専門の学問さえ出で来たりおることに御座候。」とあった。)
たった一人の情熱から始まった運動は、熊野の村人達や柳田国男など全国の有識者にも広がり、やがて政府を動かし、大正7(1918)年3月2日に、「神社合祀令」は廃止された。
確かに南方熊楠の活動は、後の環境保護の礎になったスゴイ出来事だったと思う。しかし、彼が今の時代を見たら、「21世紀は環境の時代と言っているらしいが、100年経ってもまだこれくらいの意識か」と、がっかりするかもしれないと思った。
 (再放送は7/27(火) 17:15〜17:58 S2・全国   7/30(金)※木曜深夜1:00〜1:43総合・全国)
今日のエコニュース:福井豪雨で日本海に流出したとみられる流木や家庭用品などが約100km離れた石川県能登半島の海岸に大量に打ち上げられ、同県羽咋郡市広域圏事務組合が21日、撤去作業を始めた。車両が乗り入れ可能な海水浴場として知られる「千里浜(ちりはま)なぎさドライブウェイ」(羽咋市、志雄町、押水町、約8km)には20日早朝から、長さ約20mの流木や木片、ガスボンベ、車のタイヤ、畳、空き缶、空き瓶など、総量推定約1000tを超える漂流物が流れついた。福井県美山町の住所が書かれたガスボンベもあったという。(毎日新聞)


2004/7/21(水) 熱帯夜
昨日に引き続き、気温の話です。今日も甲府市で40.4度を記録したそうだが、夕べから今朝にかけても近畿、四国を中心に最低気温が28度を超える寝苦しい熱帯夜となり、東京の最低気温は午前4時半ごろに記録した30.1度だったという。
全国的には「最低気温が30.1度」というは、2000年7月31日に富山で観測したのと同じ1位タイ記録。東京で最低気温が30度を下回らなかったのは、観測記録が残っている1951年以降初めて。これまでの最高は1994年8月4日の29.3度だったとのこと。
気象庁は「東京だけ顕著に気温が下がらなかったのは、都市排熱などによるヒートアイランド現象の影響もあるのではないか。」と説明しているし、今朝のラジオで、ある気象予報士が「東京の最高気温が39.5度になったことより、最低気温が30度を下らなかったことの方が大きな出来事だ。」と語っていた。
首相が「気温が高くなることは悪いことばかりじゃない。景気回復につながる。」と、インタビューに答えている姿を見て、私は「一時的な景気回復より、長期的なヒートアイランド対策の方が必要だよ!」と、ひとり突っ込みを入れてしまった。
今日のエコニュース: 環境省は21日、容器包装リサイクル法に基づき、自治体が家庭ごみのペットボトルなどを分別収集し選別・保管する経費について、初の全国調査結果をまとめ、中央環境審議会に報告した。収集からリサイクルまでの全体の経費を見ると、ペットボトルの場合、自治体の負担が、飲料や容器メーカーなど事業者のリサイクル費用の負担を上回っていた。自治体からは「財政が圧迫されている」と事業者負担の割合を高めるよう求める声が強く、環境省は2005年度中の同法の改正に向け、費用負担の在り方について検討する。調査は分別収集している2686自治体を対象に02年度の作業実態について聞き、1931自治体が回答した。回答を基にした環境省の計算によると、人口10万人以上の自治体が収集や、異物との選別、保管を直営で行っている場合、ペットボトル1キロ当たりの費用は選別方式などにより122−167円。プラスチック容器包装は83−97円だった。(共同通信)


2004/7/20(火) エコを意識した街づくりを
今日は朝から天気予報で、「鹿児島市も35度になるでしょう」と言われ、「ヒェ〜」と思っていたら、なんと東京では午後1時前に、7月では過去最高の39.5度を記録したという。懸念していた気温40度時代が、もう早くも訪れそうだ。
数日前のテレビで、東京上空からサーモグラフィーで町を観測している様子を見たが、まさに真っ赤!エアコン室外機からの熱風、アスファルトからの放射熱、車からの排気ガス、加えて高層ビルが東京湾からの風を遮り、夜も煌びやかなネオンが熱を放出し続けている。まさにヒートアイランド現象は、年々ひどくなるばかり。
土、樹木、水(川)、風を考慮し、加えて日本の高度な技術を活かした街づくりが早急にできないものかと思う。国会議事堂の中にいる人たちは、毎日冷房の中にいらっしゃるから、この事態の深刻さを自覚しているのか、いないのか・・・?炎天下で仕事をしている人たち、運動をしている子供たちのことを考えると、心配になる。
街づくりと言えば、塩川事務局長は先日、“エコビレッジ”で有名なオーストラリアのクリスタルウォーターズ、マレーニに視察旅行に行かれていました。そこでは、私たちが学ぶべきものがたくさんあったようです。その様子を、『エコ見聞録』として掲載しましたので、どうぞご覧下さい。
今日のエコニュース: スチール缶リサイクル協会がまとめた調査によると、2003年のスチール缶の重量ベース・リサイクル率は87.5%と、前年より1.4ポイント増え、20年連続で過去最高を更新した。経済産業相の諮問機関である産業構造審議会の指針、85%以上の目標も3年連続でクリアし、リサイクル率としては、世界でもトップを維持する見通しとのこと。(読売新聞)


2004/7/19(月) キリマンジャロ
夕べ、TBS(MBC)の『世界遺産』では、キリマンジャロ国立公園を取り上げていた。“キリマンジャロ”という言葉はよく聞くが、実際それがどんな山であるかも知らなかった私は、見入ってしまった。
大地溝帯のマグマの活動によって誕生した、万年雪を抱いた富士山のような形をしたキリマンジャロは、赤道直下のタンザニアにある、アフリカ最高峰5,895Mの山。麓のサファリでは様々な動・植物たち、マサイ族の人々がキリマンジャロの伏流水の恩恵で、豊かに暮らしている。
その山に、ガイドやコックを含むポーターを32人も雇って、7泊8日かけて登っていった光景は、高度が高くなるに連れてどんどん生態系が変わっていった。サバンナから氷河まで体験できるこの山は、植物学の常識も通用しないと言う。確かに見るからに奇妙な植物がたくさん写っていた。そして途中からは奇岩がゴロゴロ。かつては火山だったこともあり、火山性のガスを噴出するカルデラもあり、やがては白一色の世界。空気が薄くなる中、一歩一歩進んでいく様は、見ていても苦しそうだった。
そんなキリマンジャロも、温暖化の影響でここ30年で氷河が半減し、2015年にはすべて消滅すると言われている。そうなったら、もう人も動物も植物もすべて、暮らせなくなるだろう。2015年なんて、もうたったの10年しかない。あまりにも急激な気候の変化。スワヒリ語で「輝く丘」という意味のキリマンジャロは、どういう思いで人間達を見ているのだろう。
今日のエコニュース:03年度のアルミ缶リサイクル率が1977年の統計開始後初めて前年度を下回ったことが、アルミ缶リサイクル協会の集計で分かった。キャップ付きアルミ製ボトル缶の消費量が増えたが、ペットボトルと同様にキャップを外して回収に出す人が多いためらしい。協会は「アルミ缶はキャップもリサイクル可能。付けたまま出して」と呼びかけているが、分別収集している自治体は「ペットボトルでは外し、アルミでは付けろと言われても混乱する」と困惑気味だ。(毎日新聞)


2004/7/17(土) メダカとイルカのために・・・(人間の都合カナ?)
鹿児島のニュースをふたつ紹介します。(南日本新聞より)
『樋脇町塔之原の田代地区で14日、川薩耕地事務所の関係者ら総勢90人がほ場整備に伴うメダカの引っ越し作戦を行った。樋脇小学校の3、4年生61人も、絶滅危ぐ種のメダカ“救出”を加勢した。同事務所によると工事に伴うメダカの引っ越しは県内では珍しいという。同地区のほ場整備は県の中山間地域総合整備事業の一環。同事務所は昨年9月から12月にかけメダカの生息状況を3回調査し、水路約600メートルに1000匹(推定値)いると分かった。このため小学校の環境学習も兼ねて生態系に配慮した引っ越し作業を計画した。水田の一角に設けた繁殖用プールで個体数を増やし工事を終える来年1月、石積みで土底の“近自然型水路”に戻す。』
『鹿児島市のかごしま水族館脇のイルカ水路で17日、一般のダイバーや海上保安官ら約30人が清掃作業をした。24、25の両日に一帯で開催されるかごしまウオーターフロントフェスティバルを控えて実行委員会が呼びかけた。フェスティバルでは、イルカを水路に放して一般公開する。ごみのない水路で、イルカに快適に泳いでもらおうという狙い。ダイバーらは水中に潜って、ポリ袋やペットボトル、空き缶など4トントラック1台分のごみを集めた。』


2004/7/16(金) 円を描く
環境問題では、『循環の法則』を伝えることが多くあります。たとえば、私たちが汚した水を流せば、それが川、海に流れ込み、やがて水蒸気になって空に上る。そして雲を作り、汚れた雨となってもどってきて、水道水になり私たちの口に入る。。。みたいなことです。
『まわりまわって帰ってくる』ということは、つまりはすべてが『円』を描いているということになるのでしょう。地球上のみならず、宇宙に存在する全てのものに『循環の法則』が当てはまり、『円』となり動いているようです。
ある本に、次のような文章が載っていたので、紹介します。
『宇宙の力学は、とかく円を描き、万物は丸くなろうとする。天空は丸く、そして地球も、さざめく星たちもまた、球体らしい。風は、力が凝縮すると竜巻となり、鳥は丸い巣を作る。何もかもが同じ法則に支配されている。太陽も月も丸く、その軌道も円を描いて昇っては沈んでいく。季節さえ、次々と移り変わって大きな円を描き、元いたところへ必ず戻ってくる。人の一生も子供時代から始まり、再び生まれ変わって子供になる。エネルギーが動くところ、あらゆるものに円の原理が働く。(ブラック・エルク)』
今日のエコニュース:過去約200年間に石炭や石油など化石燃料の燃焼で大気中に放出された二酸化炭素(CO2)の半分は海の表層に近い部分に吸収されており、将来的に生態系に深刻な影響を与えかねないとする研究を、米海洋大気局などのグループがまとめ、16日付の米科学誌サイエンスに発表した。(共同通信)


2004/7/15(木) オートバイのリサイクル
昨日は、「自動車リサイクル法」について書いたが、今日はオートバイのリサイクルについてのニュースを転載します。
『 資源の有効利用を図ろうと、オートバイメーカー各社は今年10月から、使用済みのオートバイを回収するリサイクル制度を始める。日本自動車工業会によると、年間120万台に及ぶ使用済みのオートバイのうちおよそ75000台が不法に投棄されるなど、適正に処理されていないとのこと。このためメーカー各社は、使用済みのオートバイを、全国およそ15000の販売店で回収し、メーカーに関係なく一括して処理する世界に先駆けた新しいシステムを導入することとなった。
リサイクルの費用は、ホンダの場合、オートバイの排気量に関係なく販売価格に4120円を上乗せして徴収するほか、ヤマハ、スズキ、川崎重工業の各社も同じ程度の料金を検討中という。また、既に購入しているオートバイについては、消費者が廃棄する際にメーカーが決めた処理費用を支払う。
家電リサイクル法に続き、来年1月からは、使用済み自動車の適正な処理を義務付ける自動車リサイクル法が施行されることになっており、オートバイでは一足早く独自の取り組みが始まることになり、メーカー側に製造物の適切な処理を促す流れは今後も続きそうだ。(エコロジー・オンライン)』
今日のエコニュース:登山家の野口健さんが14日、環境省内で記者会見し、静岡県と山梨県にまたがる青木ケ原樹海での産廃不法投棄をなくすため、今後5年間で樹海の清掃活動や不法投棄の実態調査に取り組むことを明らかにした。野口さんは富士山でも清掃を行ってきたが、登山者が富士山の5合目以上で出すごみよりも、すそ野の樹海での産廃の不法投棄が深刻化しているという。今年はボランティアを動員し、年10回程度実施。専門家による土壌調査も検討している。(ヤフー・ニュース)


2004/7/14(水) 自動車リサイクル法
来年1月から「自動車リサイクル法」が施行される。この法律は、自動車メーカーと輸入業者に対し、自動車の破砕くず、オゾン層を破壊するカーエアコンのフロン、エアバッグの3品目の回収とリサイクルを義務付けている。そしてこの法律は、自動車の不法投棄対策事業のひとつにもなっている。
施行後は所有者はみんな、リサイクル料金を支払うことになる。新車は購入時に車両価格に上乗せ、既に所有している車に対しては最初の車検時に支払い、廃車時まで『財団法人自動車リサイクル促進センター』が料金を管理・運用する仕組みになっている。
日産自動車は13日、メーカー第1号としてリサイクル料金を発表した。車種ごとに異なるが、だいたいマーチが9780〜1万340円、エルグランドが1万6020円など。(他社も今月中には発表する予定)
不法投棄されている自動車を自治体が撤去する場合には、『財団法人自動車リサイクル促進センター』が管理している料金から、掛かった費用の8割を負担することも決められている。
環境省の昨年の調査では、全国で不法投棄されたり、違法な保管状態にある廃車は約16万9000台。不法投棄の実行者が撤去する義務があるが、実行者が不明のケースなどは自治体が代執行で撤去しているのが実状。
不法投棄はかなり深刻で、「産廃銀座」と言われる千葉の銚子市のある町では、4年前から住民が交代で自警団を結成し、寝ずの番を続けているという。また、02年度から千葉に代わって不法投棄ワースト1になった沖縄県では、特に廃車問題が深刻で、03年度3月時点で全国の不法投棄自動車の2割以上も占めているという。
しかし最近は、鉄くずの高騰に伴い、廃車の山が運び出されている傾向もあるらしい。人は“倫理”では動かないが、“お金”では動くという現実も寂しいモノを感じる。


2004/7/13(火) 異常(?)気象が続く
11日の午後には、横浜で突然の雷雨のあと、パチンコ大の雹(ヒョウ)が降った。夏に雹が降ってくるなんて、先日見た映画「デイ・アフター・トゥモロウ」を彷彿とさせた。
でもインターネットで調べてみると、これまでも結構“雹害”が世界各地で起きていることを知った。いづれも今年の話ではないが、イギリスでは6月にゴルフボール大の大きさの雹により死者が出たことがあったり、中国では4月に農業に大きな被害が出たりと、寒い時期とは関係なしに“雹害”は発生していた。
また今日は、新潟・福島両県で集中豪雨により土砂災害や冠水被害が拡大。死者や行方不明者も出ている。一方、日本列島各地で最高気温が軒並み上がり、電力消費量もグンと増えている。本当に日本が、熱帯の気候になってきたように思う。
天気のことは、私たちの力が及ばないことがほとんど。でもせめて、自分のできる予防・対策は積極的に心がけたい。そして、異常気象を嘆いてばかりではなく、「なぜそうなってしまったか」を考えながら・・・
今日のエコニュース:使用済み自動車(廃車)の適正処理を目指す「自動車リサイクル法」の来年1月の施行に伴い、消費者が負担するリサイクル料金の水準が12日、明らかになった。軽乗用車と乗用車の場合、7000〜1万8000円で、今月中旬から下旬にかけて各自動車メーカーが車種ごとに具体的な料金を順次公表する。経済産業省と環境省は自動車リサイクル制度の実施によって、現在80〜85%の自動車リサイクル率が2015年度には95%に向上するとみている。(毎日新聞)


2004/7/10(土) 集中豪雨に思う
ここ1ヶ月だけをみても、日本各地で“集中豪雨”と言われるような局地的な大雨が降り、被害が出ている。
地球温暖化で起こりうる影響のひとつに“集中豪雨”があるが、最近のそれと関係があるのだろうか。そして“異常気象”という言葉もよく聞くが、本当はどうなんだろう。
気象庁によれば、「異常気象」とは、「一般には過去に経験した気候状態から大きく外れた気象を意味し、台風や低気圧に伴う大雨や強風などの数日程度の激しい現象から、干ばつや日照不足など数ヵ月程度の現象が含まれる。また、それぞれの地点で過去30年間に観測されなかったような値を観測した場合」としている。
しかし最近は“30年に1度”という割合に当てはまらないほど、“異常”と感じるような天候が多い。インターネットで調べてみると、九州大学大学院の守田治助教授(気象学)が、「異常気象とは本来、数十年に1回発生する気象状態ですが、頻度が崩れてきましたから、定義にあわなくなってきました。いろんな異常気象がありますが、集中豪雨が増えたりという激しい気象の変化は地球温暖化が影響していると思います。」というコメントを出しているのをみつけた。
様々な形で、温暖化の影響を感じる感じる今日この頃だ。
今日のエコニュース:主要な全国の湖沼や河川の約3割に外来魚のブラックバスの一種オオクチバスが生息していることが9日、環境省のまとめで分かった。ブルーギルも約2割で確認された。ブラックバスとブルーギルはいずれも淡水魚。原産国は米国で、釣りの対象魚として持ち込まれた。肉食性のため在来種や生態系への影響が懸念されている。(毎日新聞)


2004/7/9(金) ペットボトル入りビールが登場
今日の毎日新聞に『アサヒビールは8日、ビールの味を損なう酸素や光を遮蔽し、炭酸を逃がさない新型ペットボトルを開発、年内にペットボトル入りのビールを発売する、と発表した。大手メーカーでは初めて。同社は「缶や瓶とは違って軽くて自由な形のおしゃれな容器ができる」と売り込む。・・・』という記事が載っていた。
既に韓国ではペットボトル入りビールは主流になっているとのこと。それに、清涼飲料業界では、全製品の4割以上がペット容器になっているご時世なので、ペットボトル入りビールが出てくるのも当然の流れだったのだろう。
しかし、新聞紙上では「ペットボトルの内側にガラス成分である酸化ケイ素の幕を作り・・・紫外線などの光に対しては、特殊なフィルムで外面を覆い、ボトル底に遮光用パッドをつけて防ぐ」などと書いてあったので、「このペットボトルはリサイクルできるの?」と疑問に思ってインターネットで調べてみた。
結果、ちゃんとリサイクルできるように配慮してあるとわかったので、ホッ!写真も載っていたが、見た目には従来のモノと同じような素材に見えた。
とは言え、ペットボトルは回収されても山積みされたままとか、結局は燃料として処分されるだけ、ということも聞く。今後、ペットボトル入りビールの需要が増えれば、ますますペットボトルが世に出回ることになるので、十分なリサイクルルートの確立が必要だと思った。でも環境にとっては、リユース(再利用)の瓶ビールの方がいいんだけどなぁ・・・


2004/7/8(木) 本当に被害深刻!
先日の事務局日誌(7/2)でも書いた蛾の「キオビエダシャク」。近所を少し回っただけでも、何軒か生け垣にしているイヌマキに被害を受けていた。おびただしい毛虫が、新芽を食べている所では「ギャー!」と言いつつ、シャッターをパシャ!
   枝びっしりと毛虫が

   完全に枯れている所も
今日のエコニュース:豊かな自然が残された地域に、もともと生息していなかった動植物が入り込んで生態系を乱すのを防ぐため、環境省は、国立公園や国定公園など自然公園への動植物の持ち込みを原則禁止する方針を決めた。国立公園などでは現在、動植物の採取が原則禁止されているが、持ち込みは野放し状態だった。違反者には最高6か月の懲役か50万円の罰金も科す方針で、今後、禁止地域の範囲や対象の動植物種など具体的な規制内容を検討し、来春にも自然公園法の政令を改正する。(読売新聞)


2004/7/7(水) 複合汚染
『複合汚染』(有吉佐和子著)が、書かれたのは今からちょうど30年前。当時私は、幼いながらも、それが衝撃的な内容で、大人達が話題にしていたのを覚えている。この本の発行以降も、多くの人たちがいろいろな形で環境への警鐘を鳴らしてきている。だけど未だに事態は悪くなる一方。今日もまた、こんなニュースが。。。
『青森、岩手県境の国内最大級の産業廃棄物不法投棄現場に生息する野ネズミのハタネズミに、高い割合で染色体異常が発生していることが、弘前大農学生命科学部の小原良孝教授らの調査で分かった。小原教授が5日、青森市内であった周辺生物への影響を調べるため青森県が設けた調査評価委員会で公表した。
調査によると昨年6月以降、青森県田子町の投棄現場でハタネズミ30匹を、現場から2キロ以上離れ、産廃の影響が及ばないと推定される場所で15匹を採取。それぞれ大腿骨の骨髄細胞から取った染色体を調べた。その結果、ハタネズミの染色体は通常は15対30本だが、投棄現場のうち2匹に31本ある異常が見つかった。
また1匹当たり50の細胞を調べた結果、投棄現場の1500細胞には、切断したり切れかかったりした染色体異常が79カ所あった。これに対し離れたネズミは750細胞中12カ所で、投棄現場のネズミの染色体異常の割合が3倍以上高いことが分かった。
小原教授は「現場の有害化学物質が個々では環境基準を満たしていても、複合汚染になれば遺伝的に安全とは言えないのではないか。原因は特定できないが、継続して研究する必要がある」と話している。
ハタネズミは半分以上地下で暮らし、土壌の昆虫や植物の根などを餌としている。このため産廃からしみ出した地下水の影響を受けやすいのではないかと調査対象に選んだ。研究結果は秋にも学会で発表するという。(河北新報)』


2004/7/6(火) 不思議だけど、当然かも・・・
国内では使用されていない農薬が、母乳から微量ながら検出されたという。不思議だけど、地球上のモノはすべて循環しているので、周り回ってやってくるのは当然の結果なのだろう。イラクで使用されている劣化ウランの放射能が日本まで届くのは、いつだろうか。いや、もう来ているのかもしれない。
『国内で製造・輸入実績のない有機塩素系農薬「トキサフェン」が日本人の母乳に含まれていることが、愛媛大沿岸環境科学研究センターの田辺信介教授の研究室と住化分析センター(本社・大阪市)の共同調査で分かった。厚生労働省や環境省によると、日本人からの検出例は初めて。田辺教授は「トキサフェンは、環境ホルモン(内分泌かく乱物質)の疑いがある。すぐに人体に悪影響があるとは言えない濃度だが、経路の特定が必要だ」と話している。7日から静岡市で開かれる環境化学討論会(日本環境化学会主催)で発表する。
環境省によると、トキサフェンはトウモロコシやジャガイモなどの殺虫剤として、70年代に米国などで使われたが、その後は使用されている国・地域は確認されていないという。発がん性などの健康被害の恐れがあるとして、ポリ塩化ビフェニール(PCB)など有害化学物質12種類を規制する「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(今年5月発効)で製造・使用が原則的に禁止された。
有機塩素系農薬は脂肪分によく溶け、生物の脂肪組織に蓄積されやすい。女性への影響が大きいとされていることから、母乳を調査した。99〜04年、愛媛県内の28〜36歳の女性6人と九州の27歳の女性1人の計7人の母乳を取り、汚染物質の濃度を調べた。その結果、全員から1グラム当たり7.6〜1.8ナノグラム(ナノは10億分の1)のトキサフェンが検出された。
トキサフェンが、どのような経路で日本人の体内に蓄積されたかは不明だが、田辺教授は「かつての使用国から輸入された乳製品や魚などに蓄積されていたか、軽くて飛散しやすい物質のため、大気に乗って降雨などで汚染が広がった可能性もある」と指摘する。田辺教授らの調査では、これまでに日本近海のイルカやクジラから微量のトキサフェンが検出されていた。(毎日新聞)』


2004/7/5(月) 養殖エビについて
以下のニュースが伝わってきたが、この状態を引き起こしている原因の多くが、「日本人のエビ好き」にあると思う。私も同様なので複雑な気持ち。。。
『ブラックタイガーなど養殖エビが世界的に人気だが、全世界生産量の99%を占める東南アジア地域では、マングローブ林の破壊に代表される環境問題が深刻化している。エビ養殖場から出る有機物が回りの珊瑚礁や海草床を窒息死させるだけでなく、エビの餌が海中を富栄養化させ、水中を低酸素状態に導く。
また養殖に使用される殺菌剤は海中の野生動物には有毒なうえ、食物連鎖を通した体内濃縮が心配されている。さらに抗生物質として広く使用されるオキシテトラサイクリンは非生物分解性であり、散布後その95%が周囲の環境に蓄積されてゆくとみられる。既に養殖場周辺で見られるバクテリアの77%が抗生物質への耐性を持つと考えられる。こうした現状でのエビ養殖は飼育環境悪化のため数年で経営不能となる場合が多い。環境団体の関係者は「大きな力と責任を持つ消費者の助けがあれば、現在東南アジアで行われているような持続可能でない養殖の方法をやめて、より安全な方法を選べるはずだ」としている。』



2004/7/3(土) 暦と宇宙のサイクル
7/2は満月だった。旧暦を使っていた頃の日本人は、暮らしと満月(月の満ち欠け)は密接していたらしいが、今では秋の十五夜くらいしか意識していない。
マヤ暦と関連性がある「13の月の暦」の存在は以前から知っていたが、抽象的な表現が出てくるので敬遠したままになっていた。それが今日教えてくれる集いがあり参加してみると、「13ヶ月、28日サイクル」が、宇宙的にも人間にも極自然なリズムであることが理解できた。
月は一年間に地球の周りを13回まわっている。つまり28日かけて一周まわっている計算になる。この28日というサイクルは太陽の自転周期も28日。また人間にとっても感情のバイオリズム、女性の生理周期、皮膚の刷新周期も28日とされている。
宇宙のサイクルはほぼ一定のリズムで回っているのに、“1月は31日、2月は28日・・・とされても、それは宇宙のリズムに沿っていると思いますか?”と言われて、「なるほど」と思った。今世界で一般的に使われているグレゴリオ暦は1582年に当時のローマ法王が制定したが、自然のサイクルを無視した暦であるとことは明白。
「13の月の暦」では、1年の始まりは7/26からでひと月を28日、それが13ヶ月で7/24までで364日。これに時間に縛られない7/25を加えて1年間が回っているとみている。それにマヤの太陽エネルギーサイクルや銀河のサイクル、260日のツォルキンサイクルなどが組合わさって成り立っている。
奥が深いようなので詳しいことはまだ全然わからないが、宇宙・自然界のサイクルとつながっている「13の月の暦」は、なかなか興味深い。今月26日から、新しい一年になる。また違う気分で暦を見るのも楽しいのでは・・・
今日のエコニュース: ペットボトルや廃プラスチックなど、ごみになった容器包装をリサイクルする中で、回収を担う自治体の負担額が、飲料・容器メーカーなど事業者側の負担額を上回り、ペットボトルの場合は2倍にのぼることが、環境省の初の全国調査で明らかになった。06年度にも行われる容器包装リサイクル法改正に向け、同省は7月から中央環境審議会で本格的に審議を始めるが、重い自治体負担の改善が重要な課題になりそうだ。 (朝日新聞)


2004/7/2(金) 「キオビエダシャク」 ただ今北上中
2週間ほど前から、近所で黒地にオレンジ色の帯が鮮やかに入っている蝶がよく飛んでいた。「めずらしいきれいな蝶だな」と思っていたら、数日前それはここ数年“イヌマキ”を食い荒らすことで有名になっていた「キオビエダシャク」という蛾であることがわかった。よく見てみれば、すぐ近くにイヌマキの生け垣の家があったから、そこから発生していると確信。
この蛾の幼虫がイヌマキの新芽を食べ尽くしてしまうそうで、去年は南薩地方の指宿・枕崎や加世田は大変な被害が出たと聞いていた。そしてその被害は今年更に深刻化、かつ広範囲になりだんだんと北上しているという。
元々南方系の蛾で南西諸島から島伝いに飛んできたとみられているが、これも温暖化の影響と言えるだろう。気温の上昇と共に、生態分布図がだんだんと変わっていく一端を見たような気がした。
行政も予算を出して駆除に乗り出しているらしいが、繁殖力が高く、薬剤も成虫になってからは効かないので厄介らしい。とにかくイヌマキがあるご家庭は、要注意!
今日のエコニュース:気象庁が1日発表した6月の気候統計によると、北日本から西日本にかけて晴れて気温が高くなったため全国32地点で月平均気温の最高値を更新、月降水量は東海などを除いた多くの地域で平年を下回った。一方、台風は統計がある1951年以降では6月最多の5個が発生、このうち4号と6号が本土に上陸し、月上陸数は97年と並ぶ1位タイ記録だった。(共同通信)


2004/7/1(木) 『鹿児島市みんなで町を美しくする条例』
鹿児島市の6月定例議会は30日、“たばこの吸い殻ポイ捨て”などを禁じる条例案を可決し、10月からの施行が決まった。
これは公園などの公共の場所でたばこの吸殻や空き缶のポイ捨て、ペットのフンの放置などを禁止し、加えて人通りの多い場所(天文館や中央駅の地下通路)での喫煙も条例で禁止されることになった。ただ路上喫煙は東京都千代田区や福岡市での罰則付きの禁止条例とは異なり、鹿児島市の条例は「市民と共同で町の美化を目指すのが趣旨」として喫煙自体に罰則は科さないそうだ。しかし、公共の場所や他人の土地でたばこの吸い殻を捨て、市長の撤去命令に従わない場合は2万円以下の過料を科し、また空き缶のポイ捨てや飼い犬のふんを放置することも過料の対象となった。
日頃から、路上に落ちているおびただしい数のたばこの吸い殻、歩きたばこの危険性、煙の不愉快さが気になっていたので、私としては大歓迎。
すでに全国では35ある中核市のうち富山市や神奈川県相模原市など、24の市が、たばこの投げ捨てや路上での喫煙を条例で規制している。鹿児島も早くこの条例がみんなに浸透し、吸い殻の落ちていないきれいな街になる日を楽しみにしている。

<HOME>