残念ながら日本の近海も、とても汚れていて世界のワースト１０にも入っているんだ。　特に日本の近海で問題になっているのは、ダイオキシンなどの有害な化学物質汚染なんだ。なんてったって、日本は、世界で一番のダイオキシン汚染国と言われているからね。たくさんの焼却場や野焼きで出た煙の中のダイオキシンが、雨の日には雨にくっついて降ってきて、土に川に、そしてやがて海に流れていくんだ。海の生き物たちが、かわいそうという問題ではなくって、地球は水も空気もすべてが循環しているからね。
日本人は、結局、自分たちで出したダイオキシンを、魚介類を食べることで自分の体内に取り込んでしまっているんだよ。

鹿児島湾の環境ホルモン汚染度を調べるために９５年に巻き貝（イボニシ）の奇形率を国立環境研究所が調査したんだ。その結果、巻き貝の奇形率は、国分で１００％、垂水で８７％、佐多町まで南にいっても４１％だったんだよ。貝類がこれだけ汚染されているってことは、鹿児島湾が相当汚れてしまっているってことだよね。国分で釣りをする人から、奇形の魚がよく釣れるようになったと聞いた事があるよ。ダイオキシン等は生物濃縮していくから、海の生物たちは大きな種になるほど、たくさんの化学物質が体内に蓄積していくことになるんだ。また、かごしまクリーンアップキャンペーンの２０００年の報告書によると、鹿児島の３２会場で行われた海岸線のゴミ拾いでは、回収重量は５，４７３ｋｇで、一番多かったのは発砲スチロールの破片で、１３，３３９個も回収されたらしいよ。