≪環境ホルモンとゴミ問題≫
環境ホルモンって、そんなにこわいの?


最近よく聞くようになった「環境ホルモン」や「ダイオキシン」。焼却場から出される煙や灰の問題から、ずいぶん騒がれるようになった「ダイオキシン」は、「環境ホルモン」の一種なんです。
実は「環境ホルモン」という有害な化学物質の疑いのあるものは、他にも私たちの身の周りに、たくさんあるのです。
たとえば、合成洗剤、殺虫剤、農薬、プラスチック製品・・
でも、それがいったい何モノなのか、なぜこれほど騒がれているのか、どういう影響をおこしているのか、ご存じですか?
ここでは、そんな環境ホルモンの問題について、分かりやすく説明します。

 

    
環境ホルモンって何?
便利で快適なモノにあふれた毎日の生活の中、知らない間に極々微量の化学 物質が、さまざまな形で人体に入り込んできて大切なホルモン作用をかく乱していく……それがやがて……アトピー、アレルギー、精神不安定、がん、催奇形性、生殖機能の低下などをひきおこす……これが環境ホルモン問題なんだ。

具体的な影響には、どんなことがあるの?
次のようなことが現実に起こっているんだ。
・フロリダのワニやカモメの生殖障害による減少、イルカやアザラシの大量死。
・巻き貝メスのオス化(ペニスの縮小・メス同士のつがい)、貝類から哺乳類まで多種生物に影響
 → 絶滅の危機。
・人間への影響 → 胎児の奇形、死産、生殖機能の低下・異常、性行動の異常(ゲイ化、レズ化)
 精神不安定(凶暴化、キレる、ムカつく)、発ガン性(精巣ガン、乳ガン、子宮ガン)、子宮内膜症
 アトピー、アレルギーなど。
・生物濃縮により食物連鎖の上位の生物ほど影響が大きい
 (プランクトン:500倍→エビ:4万倍 → 小魚:80万倍 → 大型魚:280万倍 →
    カモメ:2500万倍 → 北極熊:1億倍)
環境ホルモンは、人類存続の危機を招いていると言われているんだ。 もちろん、人類だけではなく
すべての動物の絶滅の危機になっているんだ。 もうすでに小さな貝から北極クマまで、雌雄同体の
生き物たちが多数みつかっているんだ。
 
原因の化学物質って?
世の中に10万種以上の化学物質が使われているそうだけど、環境ホルモン作用が確認されてきているモノは、67種類。 まだまだあるだろうって言われているけど、研究が追いついていかない状態。 具体的には、農薬、殺虫剤、防虫剤、PCB、ダイオキシン、有機すず、カップ麺の容器(スチレン)、缶詰・缶ジュースなどの内側コーティング剤、哺乳瓶、食器(ビスフェノールA)、塩化ビニール製品のおもちゃ・ラップ・バッグ・サンダル・傘等々(フタル酸エステル)、合成洗剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、乳化剤、合成ホルモン剤(ピル)等々。 これらの影響を受けて、すべての食べ物や飲み物、食品容器、おもちゃから環境ホルモン物質が、続々検出されているんだよ。 ダイオキシンは、ビニールやプラスチック、塩分を含んだ生ゴミ等を低温で燃やしたり、また紙を作るときの塩素漂白でも発生するんだ。

 
極々微量で影響するって?
50mプール(縦50m、横25m、深さ1.5m)に1滴(1CC)、たった1滴の化学物質(10億分の1の濃度:1ppb)をたらしただけで、貝などはことごとく奇形になっていってるんだ。


どうしたらいいの?
環境ホルモンを作り出してしまったのは、すべて私たちが便利、快適な生活を求め過ぎたためです。 大切なことは4Rの実行。
・基本は使わないこと、ゴミになる物を買わない、やめる(Refuse:リフューズ)。  
 プラスチック、塩ビのモノを使わないようにしましょう(特に食器やおもちゃ)。
 スチレンに熱いモノを注がない。
 ラップのまま熱を加えない。
 合成洗剤を使わない(洗濯、台所、シャンプー、リンスなど)
 酸化防止剤・防腐剤を含む加工食品をさける。
 先々ゴミになるモノを買わない。
 家庭や職場でゴミを焼かない。
・次に、使用量や回数を減らすこと(Reduce:リデュース
・そして、繰り返し使えるモノを選ぶこと、再利用(Reuse:リユース
・最後が、分別して再資源化(Recycle:リサイクル)です。リサイクルは最後の手段です。
 リサイクルには、回収、運搬、洗浄、溶かす再形成などの過程ですごくたくさんのエネルギーが
 必要になります。 それが地球温暖化につながるよね……
 だからできるだけリサイクル以外の3Rでネ? 

< ゴミ問題との関連は? >
ゴミは、燃やせばダイオキシンが発生します。 煙として出ていったダイオキシンは、どこへいくかご存じですか?  雨と一緒に降ってきて、土や水を汚染し、最後は海へ行きつきます。 燃やせないモノとして、埋め立て処分場に運ばれたモノはどうでしょう? こちらも雨で環境ホルモン(ビスフェノールA・フタル酸エステル・ノニルフェノール等)が浸みだし、地下水や川に流れ出し、最後は海へ行きます。  私たちは、魚介類からたくさんのダイオキシンをとっています。 錦江湾の貝の奇形率は、国分で100%、垂水でも87%、佐多町まで南にいっても41%なんです。 それをエサにしている魚は、体内にさらに化学物質を濃縮させています。
私たちが捨てたゴミの中の有害物質は、確実に私たちの体にかえってきているんです。

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