環境についてのコラム 第1回

那覇東ロータリークラブの機関紙に掲載された、事務局長のコラムです。


1.(2008/7/1)

地球環境フォーラム鹿児島の塩川哲郎です。昨年5月は、ありがとうございました。

今週からこのコラムを担当させていただきます。
洞爺湖サミットが開かれていますが、空気より重たい二酸化炭素は、排出されてから拡散し、温室効果ガスになる成層圏まで行くのに約20年かかります。環境対策は、残念ながらもうかなり手遅れに近い状態です。残された期間に大切なことは、技術的なことはもちろんですが、それよりも、人間の意識・価値観の転換とそれに基づいた日常の行動だと思います。現実は人々の想念の顕在化したもの、意識の顕れだからです。環境問題の改善のために本当に大切なことについて、那覇東ロータリークラブの皆さんと一緒に考えてみたいと思っています。ヨロシクお願いします。(^^)

  

2.(2008/7/2)

地球上には144万種の生物が存在していて、その内35万種が植物。109万種が動物(66万種は昆虫)だそうです。私達ヒトはその中の1種です。地球上のすべての生物がムダなく、支え合いながら共存・循環・調和して生きています。私達ヒトだけが、その環を無視して我がまま勝手に生きているようです。
植物は土を作り、昆虫や草食動物の栄養になります。草もその土壌を豊かにするため必要な草が育ち、枯れては土の養分となります。昆虫は受粉を手伝い、その糞がまた土に草食動物は植物の成長過多を抑え、その糞がまた土壌を豊かにしながら、糞に混じる種子で緑を増やしています。肉食動物は草食動物の増え過ぎを抑え、草食動物の内臓を食べて栄養のバランスを取りますが、簡単に獲物にありつけない環境にあります。そしてすべての動植物は土の中の微生物に分解され、循環しています。私たち人間は、自分の作物のために不要な植物に除草剤を撒き、大切な働きの虫に殺虫剤を撒きます。その結果、土や水を汚染し、化学肥料を使います。本当はどうしたらイイのかまずは知ることからですね。

 

3.(2008/7/3)

1992年モントリオール地球環境国際会議でのインド代表チプコのメッセージをご紹介します。 私たちはチプコと呼ばれている。 チプコはインド語で『抱きつく』という意味。

私たちは森が切られないように木に抱きつく。 木と共に切られてすでに200人が死んだ。今、あなた方の国からたくさんの人が来て、たくさんの木を切り、たくさんのダムを造ろうとしている。ダムができると森が沈み、私たちは生きていけない。このようなことが行われないために、私たち10万人のチプコは水に沈む覚悟をした。良く聞いて欲しい、私たちは決して貧しくない。 私たちは豊かだ。 私たちは何も欲しくない、ダムも電気もお金も。あなた方は経済という宗教に取り憑かれてしまった。神様はお金、儀式は開発、生けにえは地球。神様からの贈り物は、飢えと環境汚染と戦争。開発は自然を殺し、一時の冨をもたらすが、永遠の生活と幸せを失う。私たちは開発ではなく、幸せを求めている。小さな土地とわずかな食べ物と水で充分なのだ。幸せは城や街の中にあるのではなく、自然の中にあるのだ。悩みは欲の中にあり、幸せとは欲から解放されること。あなた方はどうして、その当たり前のことを忘れてしまったのか。あなた方はどこへ行くのか。我々は生き続けたいんだ・・・我々は死にたくない・・・。
インドのナルマダ渓谷、現在3000のダムを作り100の村、10万人の先住民族を水に沈める計画が進められている。これには日本のODA(途上国支援)が大きく関与していて、国際的な批判で世界銀行は融資を中止したが、工事は今なお続いている