≪応援します! 環境ISO企業≫

〜循環型社会に役立つ企業を目指すリサイクル業〜

株式会社 荒川商店


『荒川商店』さんは、こんな会社です!
  認証対象の七ツ島事業所
2004年春には創立50周年を迎えた、鹿児島では老舗の総合リサイクル業者です。荒川文男社長のもと、本社は鹿児島市新栄町、他にも市内に工場や事業所、倉庫など数カ所で事業展開を行っています。
主な事業は、鉄、非鉄原料処理加工、廃家電処理、古紙再生資源加工販売、新びん販売、一般区域運送業などを行っています。廃家電では、県内唯一の「指定引取場所再商品化工場」に指定されています。
また、2004年2月には従来は焼却及び埋立処分していた木くずや繊維クズ、廃プラスチックくずもリサイクルする鹿児島市内唯一の「RPFサーマルリサイクル工場」を新設しました。


環境方針

ー理念ー
当事業所は、金属及び廃家電、廃自動車などのリサイクルの業を通して循環型社会に役立つ企業を目指し『地球環境を守り、天然資源を活かす』ことを理念とし、廃棄物のリサイクル化にも貢献していきます。
さらに、従業員が一丸となり環境保全対策を実施し地球環境保全のために尽くします。

ー方針ー
1. 当事業所の事業活動、製品・サービスに関わる環境側面を常に認識し、汚染の予防に努めるとともに環境マネジメントシステムの継続的改善を図ります。

2. 当事業所の環境側面に関わる環境関連法、協定等、その他の要求事項等を順守し、その管理を継続的に行うとともに環境保全水準の向上を図ります。

3. 当事業所が行う事業活動が環境に与える影響の中で、以下の項目について重点テーマとして改善活動を推進します。

@ 資源性処理物・廃家電処理物・廃自動車の生産効率改善によるリサイクル量向上を目指し天然資源の枯渇抑制に努めます。

A 事業所全体の電力使用量の削減を図り地球温暖化と化石燃料資源枯渇の抑制に努めます。

B タイヤショベル等の重機に使用する燃料の削減を図り、地球温暖化と化石燃料資源の枯渇の抑制に努めます。

C 環境保全の組織体制、環境設備の整備、7S運動により環境保全の質的向上を図ります。(7S:整理、整頓、清潔、清掃、躾、作法、始末)

D 事業活動で発生する廃棄物の削減を図り埋立処分場の延命と資源の枯渇の抑制に努めます。

4. 環境方針は、全従業員(正社員、嘱託、パート)へ教育・掲示等で周知徹底を図ります。

ーこの環境方針は広く一般の人に開示しますー

2005年2月1日
(株)荒川商店 七ツ島事業所
専務取締役事業所長  荒川 直文

環境ISOに取り組んだ経緯
大量生産大量消費の問題が表面化し、各分野でリサイクルが推進されるようになり、更に2001年4月の家電リサイクル法の施行により、「循環型社会」への流れが加速されました。
そんな時代の流れと、今までの“スクラップ業”という暗いイメージを払拭し、これからの循環型社会を担っていく“公正でオープンな企業”を目指して『豊かな自然を次世代に』というキャッチフレーズのもと、環境ISO取得に向け2001年12月から取り組みを始めました。
認証取得日:2002年12月25日
認証範囲:登録組織全域(中間処理工場を含む)における一般廃棄物及び産業廃棄物の
       廃棄物処理事業及び資源と自動車と家電のリサイクル活動

2006年度目標
●リサイクル量向上 @資源性処理物清算効率向上
  05年度実績 2.52t → 06年度目標 2.54t
A廃家電処理清算効率向上
  05年度実績 0.172t/h → 06年度目標 0.174t/h
●電気使用量削減 @電力使用量削減(資源リサイクル)
  05年度実績 14.0khw/t → 06年度目標 13.9khw/t
A電力使用量削減(家電リサイクル)
  05年度実績 14.5khw/t → 06年度目標 14.4khw/t 
●燃料使用量削減 @燃料使用量削減(資源リサイクル)
  05年度実績 1.39l/t → 06年度目標 1.38l/t
A燃料使用量削減(家電リサイクル)
  05年度実績 3.54l/t → 06年度目標 3.5l/t

インタビュー 営業部の末山さんと環境リサイクル部の外園さんにお話を聞きました。
Q: 環境ISOに取り組んで変わってきたことはありますか?
A: 現場や工場がきれいになりましたよ。以前は長靴をはかないと行けない程だったのが、今は靴でも大丈夫ですよ。(笑)整理整頓は環境方針にも入れているんですが、社員みんながよく掃除するようになりました。
Q: 苦労されたことはありますか?
A: 環境管理事務局を立ち上げて休日返上でがんばってきたんですが、まずISO14001の要求事項を理解してシステムを作り上げるのに苦労しました。それに、それを現場の人たちに伝え、浸透させることもむずかしかったですね。
Q: 取得してよかったと思われることは何ですか?
A: 社員の連帯感や意識向上、自覚がでてきましたね。そして、取引先の商社や鉄鋼メーカー、それに県や市の行政の方たちからも喜んでもらえて、信頼もより一層いただけるようになったと思います。引いてはそれが業績向上につながってきたようです。
Q: 今後さらに取り組んでいこうとされていることは何ですか?
A: リサイクル率をさらに上げて、離島を含めた県内全域の環境保全に努めたいと思っています。そして、未来を担う子供たちに美しい郷土を残していけるように、社員一丸となって環境重視の事業活動を行っていくつもりです。
工場見学しました  
広い敷地に、たくさんの廃棄物の山。でもそれは、よく見るとちゃんと分別が行われ、それぞれの場所に整然と置かれおり、車、自転車、自動販売機、空き缶、エアコン、テレビ・・・数え切れないほどたくさんの物が、運び込まれているのがわかりました。
『荒川商店』七ツ島事業所で特徴的なことは敷地内に船が接岸できることです。これによって、離島から引き取られた車や家電をすぐに工場へ持ち込むことができ、また分別・処理後は直接船に積み込み、鉄鋼メーカーなどに送ることができるのです。
県内では、ここしかない家電の分解工場に入ると、エアコンのフロンガス抜きが行われていました。オゾン層破壊の原因となるフロンをきちんと回収していることを確認できて安心しました。
廃棄物の山やたくさんの重機に圧倒されましたが、社員のみなさんが黙々と真剣に作業されている姿が印象的でした。

船が横付けできる(右側は錦江湾)

フロンガスを回収している様子


荒川商店さんの、ここがスゴイ!
“ゴミ問題の解決”、“循環型社会の実現”のために、ひとつひとつの作業を丁寧に行いながら、更なる向上を目指して積極的に実践を続けている!
取材後記:工場見学も含めて取材に伺いましたが、私たちの家庭や町、あらゆるところから集められたゴミたちは、お世辞にもきれいなものではありません。作業上危険もあるので、廃棄物処理業というのは、本当に大変なお仕事だと思いました。そういう仕事に従事するみなさんに、感謝する気持ちがわいてきました。
私たちの暮らしとゴミは密接な関係にあります。ゴミを出したところで、私たちのゴミの関係が終わったわけではありません。もちろん、ひとりひとりが、ゴミを減らし、分別して出すことは大切です。でも、それだけでなく、リサイクルされたモノを使うという流れを実践していかなければ、いつまでも循環型社会は実現しません。
荒川商店さん始め業者の方たちは一生懸命リサイクルを推進してくださっていますが、それだけにに頼っていてはいけない、もっと私たちも循環型社会を定着する協力をしなければいけないと改めて思いました。(2003年11月13日取材)


その後の『荒川商店』さん   七ツ島事業所で田中さんにお話を聞きしました。
         2006年11月20日取材
3年前にお伺いしたときよりも、更にたくさんのトラックが往来していて、搬入されている廃棄物の量も増えているようですね。七ツ島事業所近くに「RPF工場」も新設されていますし、この3年間で変わってきたことをお聞かせください。
田中さん
「RPF工場」は2004年2月から稼働しています。これまでリサイクルされなかった木くずや繊維クズ、廃プラスチックくずも、この工場でリサイクルできるようになりました。また、来年3月にはFRP船のリサイクルも始めるんですよ。
船のリサイクルですか。そう言えば、車のリサイクルはずいぶん進んでいますが、船のリサイクルはあまり聞きませんよね。FRP船って、どういう船ですか?
田中さん
FRPというのは、ガラス繊維強化プラスチックのことで、それを使った小型船舶のことをFRP船と言うんですよ。個人で釣りやレジャー用に購入している方が多いのですが、最近、その不法投棄が問題になっていたんです。そこで、社団法人の日本舟艇工業会が製造業者と共に平成17年度から、廃FRP船の適正処理を始めたんです。
車のリサイクルと同じように、適正処理して使える物は再資源しようということですね。鹿児島市内のあちこちの港でも、小型船はたくさん見かけますが、あの中には何年も使われないままのものもあるんでしょうね。とてもいいことですね。
田中さん 九州では福岡・熊本などの5県は昨年度から始まっていたのですが、鹿児島・宮崎県は今年度からが実施されるんです。それで、今回、その処理をうちで任せていただけるようになったんですよ。
荒川商店さんは、県内や市内唯一という事業を多く手がけていらっしゃいますよね。廃家電の指定引取場所再商品化工場、RPFサーマルリサイクル工場、そしてFRP船リサイクルと、とても先進的な廃棄物業社さんだなぁと思います。
田中さん ありがとうございます。そう言えば、もう一つ、去年から始めたことがありますよ。環境とはちょっと違いますが、七ツ島事業所は鹿児島湾に面しているので、海上からの国際テロを防止する協力埠頭になっているんです。
えっ、それはどういうことですか?
田中さん ちょっと長い名前の法律なんですが、「国際航海船舶及び国際港湾施設の保安確保等に関する法律」というのがあって、それに基づいた埠頭保安規定に、荒川商店専用バース埠頭を申請して承認されたんです。鹿児島市では6箇所だけなのですが、それにより自主的に海上からの国勢テロに備えていろいろと警備を強化したんです。
そういう協力もされているんですね。CSR、企業の社会的責任としても大きなことですね。
今日は私も知らないことがいっぱいで、いろいろと勉強になりました。どうもありがとうございました。今後とも、荒川商店さんの環境配慮の事業活動を応援していきたいと思います。




株式会社 荒川商店

     本社:〒890−0072  鹿児島県鹿児島市新栄町4−8
      TEL:099−254−4131  FAX:099−258−0191
E−mail:ara-kawa@abelia.ocn.ne.jp

七ツ島事業所:〒891−0132 鹿児島市七ツ島1−2−4
   TEL:099−261−9500  FAX:099−261−9501
E−mail:nanatsujima@athena.ocn.ne.jp

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